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執筆者の写真Jo Kubota

山田彩子「オーガン・オン・チップ-癌研究への応用と生体組織モデリング」

名前:山田彩子

所属:CNRS研究員・パリ高等師範学校 化学科

トピック:オーガン・オン・チップ-癌研究への応用と生体組織モデリング


 微少な流体や流体内の微小粒子を操作し、化学反応 、検出、分離などを行うことを当初目的に開発されたマイクロ流体デバイスは、 微小粒子を細胞に置き換えて、バイオ分野においても目覚ましい発展を遂げてきた。このようなデバイスは、単離された細胞の操作、 解析などの用途に留まらず、微小空間での細胞培養基盤としても数々の特長を備えており、近年では、生体組織や臓器をミクロスケー ルで模倣するオーガン・オン・チップと呼ばれる形態で、盛んに研究に用いられるようになっている。本講演では、ごく単純な微細加 工技術を用いて、いかにこの特長を活かせるかに主眼を置き、筆者が関わった癌研究への応用例、並びに生体組織のモデル系構築 例について発表したい。前者においては、チップ内での個々の細胞の挙動に着目しているのに対し、後者では、分化に伴う細胞の集 団挙動を観察するため、腸オルガノイドを小腸絨毛および腺窩の形状に成形された細胞外マトリクス上で分化させた。その結果、長 期間に亘る、細胞更新を伴う絨毛上皮細胞集団の動的な系の確立に成功したので報告する。また、微細加工した基盤上におけるヒト iPS細胞からの脳オルガノイド生成の試みと、その応用についても簡単に触れたい。




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