渡邊雄一郎
Visiting Scholar, Purdue University
発表演題: 水素結合を利用した分子配向制御と高効率有機EL素子
有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)は、薄い・軽い・面状自発光・透明化フレキシブル化が可能など、他の発光デバイスには無い際立った特徴を有し、次世代のディスプレイや照明用光源に革命を起こす可能性を秘めている。しかしながら、一般に有機ELを構成する有機半導体分子は、デバイス内部でランダムに配向しており、電子移動度が著しく低い問題があった。省電力化と飛躍的な高性能化に向けて、分子の配向を制御する手法の確立が求められる。本研究では、分子の形状の異方性と分子間に働く水素結合にを利用した能動的な分子配向制御を試みた。その結果、ピリジン環の結合様式を適切に調節することにより、基板に対して際立って水平配向を示す材料の開発に成功した。開発した材料は、汎用材料に比べて約10倍の高移動度化を実現し、有機ELへ応用した結果、0.5 Vの低消費電力化と1.3倍の高電力効率化を達成した。
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