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Japan XR Science Forum 2020

「免疫アレルギーX 皮膚」Powered by LEO Science & Tech Hub 佐藤さくら/国立病院機構相模原病院臨床研究センター

更新日:2020年7月12日


佐藤さくら

国立病院機構相模原病院臨床研究センター 病因病態研究室長


発表演題: 食物アレルギーの治療戦略



食物アレルギーは小児の5~10%、成人の2%程度に存在し、ここ十数年で約1.7倍に増えている。食物アレルギーの治療の基本は「原因食物の除去」であり、乳幼児期に発症した患者の7~8割は成長とともに寛解する(食べられるようになること)。このため定期的に「食べられる量」を評価し、寛解の有無を確認する。

治療戦略①:アレルゲンコンポーネントを用いた診断法が進歩し、不要な食物経口負荷試験(負荷試験)を回避することで患者の負担を軽減する。

治療戦略②:負荷試験で確認した「症状が出ずに食べられる量」を日常的に食べさせることでより早期に寛解を得られる可能性がある。

治療戦略③:免疫療法により「食べられる量」を増やし、最終的には寛解を目指す。昨年、米国ではピーナッツアレルギー用の経口免疫療法の治療薬がFDAに承認され、日本では臨床研究として経口免疫療法を実施している。安全性の問題が指摘されているため、投与する抗原量や生物学的製剤の併用などにより、より安全な方法の開発を目指している。

 原因抗原を体内に取り込むことが食物アレルギーの予後に影響すると考えられるが、重篤なアレルギー症状の誘発リスクは回避できず治療に難渋する例もいる。患者の層別化と個々に適した治療の選択、重症例に対する治療法の確立が今後の課題である。


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