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新型コロナウィルスにより、世界中でイベントや学会のキャンセルが余儀無くされました。反対に、テーマを限定した小規模オンラインセミナーなどが平時より多く見かけるようになりました。自宅待機中の研究者はこれらを活用し、最新研究の情報収集を行っている事と思います。便利かつ移動の問題点を解決したオンラインセミナーやミーティングですが、本来の学会の良さを実現化するには、更にいくつもの壁を越えていく必要があるでしょう。 

 

当初、在シカゴ日本国総領事館で開催を検討していた本学会は、キャンセル・延期を避けるため大きく舵を切りました。Japan XR Science Forum 2020 in US Midwestと新たに題した本学会では、米国で定期的に開催されている「The Japan-US Science Forum」および「Midwest Conference」がオンラインで合同化し、オンラインの為に最適化された会場で「細胞 X 最新研究」「免疫・アレルギー X 皮膚」「留学のすゝめ」「異分野交流」「親子科学教室」セッションが開かれます。時空の垣根を取り払い、単体学会より規模が拡大化された会場では、国を超えまた科学分野を超え様々な試みが実行されます。幸い口頭発表の募集枠も国内外の研究者でうまり、様々なテーマがギュッと集まった魅力的なセッションが可能になりました。また特別企画として留学前や留学後のキャリアに関して議論する場も設けております。参加者間でオープンなやりとりが期待されます。

 

バーチャルリアリティー(VR; 仮想現実)会場では、通常学会とオンライン学会の良さが交配された空間が実現しました。正に、本学会が目指してきた『With-COVID-19時代のサイエンスフォーラムの新機軸』を象徴する提案の一つです。私自身、仮想現実を利用するのは初体験でしたが、アバターを利用する事でワクワクしながらメイン会場・ポスター会場などの下見する事ができました。私の様に初めての方は仮想現実会場に戸惑いがあるかも知れませんが、その先には参加者同士がインタラクティブに活動・会話できる学会空間の魅力が待っています。仮想現実会場スタッフの会場サポートも併せてご利用頂き、新しい学会のスタイル楽しんで頂けたらと思います。

本学会では目玉として、科学を牽引する2人のノーベル生理学・医学賞受賞者 (大隅良典 2016受賞/Torsten Wiesel 1981受賞) によるビデオレターの上映も企画しております。また、サイエンスを社会に浸透させ次世代に受け継ぐ点を重視し、親子科学教室では子供にとってサイエンスの楽しさに触れる機会となるよう企画しております。更に、多くの企業様よりご協賛を頂けたお陰で、メイン会場で新企画を導入したり、各セッションにおいてPresentation awardをつける事が可能になりました。この場をお借りしてお礼申し上げます。

 

これからの科学学会の在り方を再考せざるを得ない状況ではありますが、オンライン学会を開催・参加するに当たって、多くの問題点・不安もある事でしょう。それらを解決するために、本学会では通常、VRを含めたクロスリアリティ (XR) 技術とは直接関係のない科学教室・医療分野でのVR発表空間を実現しました。『with コロナ時代』において、この様なさきがけ的な試みがこれまでの学会のイメージを変え、科学議論・発表の場を良き方向へ導く事を願ってやみません。

令和2年6月吉日

高田会長_1.jpg

Japan XR Science Forum 2020 in US Midwest

大会長 高田 望

(ノースウェスタン大学日本人研究者の会 (NUJRA)、UJA所属、JRCC)

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